オンライン変換サイトは安全?アップロードを自分で確かめる方法
結論:「安全です」と書いてあるかどうかで判断しないでください。本当にファイルが送信されていないかは、専門知識がなくても自分で確かめられます。方法は3つです。
- 機内モードで試す:ページを開き切ってから通信を切り、それでも処理できるか見る
- 通信の記録を見る:パソコンのブラウザで、ファイルが出ていっていないか確認する
- 規約の2か所を読む:「保存期間」と「第三者提供」だけ探して読む
PDFの結合、画像の変換、写真の背景切り抜き——検索すると無料のオンラインツールがいくらでも出てきます。ただ、扱うのが契約書や履歴書、身分証の写真だと、「このファイル、どこに送られるんだろう」と手が止まりますよね。
多くのサイトは「安全です」「暗号化しています」と書いています。ですがその文章自体は、誰でも無料で書けます。この記事では、書いてあることを信じる代わりに、あなた自身の手で確かめる方法を3つ紹介します。ブラウザ内だけで動くツールを実際に作っている立場から、確認のコツと、そうしたツールの弱点も正直に書きます。
そもそも「アップロードされる」とはどういうことか
Webツールには、見た目がほとんど同じでも、中身が根本的に違う2つのタイプがあります。この違いを知っておくと、あとの確認作業が理解しやすくなります。
| タイプ | ファイルの行き先 | 処理をする場所 | 運営者が中身を見られるか |
|---|---|---|---|
| アップロード型 | インターネットを通って相手のサーバーへ送られる | 相手のサーバー | 技術的には見られる(見ないと約束しているだけ) |
| ブラウザ完結型 | どこにも送られない。端末の中に留まる | あなたのスマホ・パソコン | そもそも届かないので見られない |
大事なのは右端の列です。アップロード型は「見ません」という約束で守られているのに対し、ブラウザ完結型はファイルが物理的に届かないので、運営者が見たくても見られません。約束は破られる可能性がありますが、届いていないものは見ようがない。この差が、機密書類を扱うときには効いてきます。
なお、アップロード型が常に悪いわけではありません。社外に公開する予定のチラシ画像を変換するのに、そこまで神経質になる必要はないでしょう。問題になるのは、中身を人に見られたら困るファイルを送ってしまうことです。
確かめる方法1:機内モードで使ってみる(いちばん簡単)
専門知識がまったく要らない方法です。スマホでもパソコンでもできます。
- ツールのページを普通に開き、表示が完全に終わるまで待つ
- スマホなら機内モードをオン、パソコンならWi-Fiを切る
- そのまま、ファイルを選んで処理を実行してみる
オフラインのまま処理が終わってダウンロードまでできたなら、そのファイルはインターネットに出ていません。送信が必要なツールなら、この時点でエラーになるか、いつまでも処理が終わりません。理屈はシンプルで、通信路が切れているのに送れるはずがないからです。
フェアに試すコツは、一度オンラインで最後まで使ってから、ページを開いたまま通信を切って2回目を試すことです。2回目がオフラインで通れば、処理そのものは端末内で行われていると判断できます。
確かめる方法2:パソコンで「通信の記録」を見る(いちばん確実)
もう一歩はっきりさせたい方向けです。難しそうに見えますが、押す場所は3か所だけです。ChromeでもEdgeでも同じ手順で使えます。
- ツールのページ上で右クリック →「検証」を選ぶ(
F12キーでも開きます) - 開いたパネルの上部から「ネットワーク」タブを選ぶ
- その状態でファイルを選び、処理を実行する
ここで見るのは、処理を実行した瞬間に新しい通信の行が増えるかどうかだけです。行が増えなければ、ファイルはどこにも出ていません。
もし行が増えた場合は、その行をクリックして「サイズ」の欄を見てください。あなたのファイルとほぼ同じ大きさ(たとえば3MBのPDFなら3MB前後)のデータが送られていれば、それがアップロードです。数百バイト程度の小さな通信は、アクセス解析や広告のためのもので、ファイルの中身ではありません。
当サイトのツールは、この2つの方法どちらで試していただいても、ファイルが出ていかないことを確認できます。PDFも写真も、お使いのブラウザの中だけで処理され、サーバーには送信されません。登録もインストールも不要です。
ツール一覧を見る(無料・登録不要)確かめる方法3:規約の「2か所」だけ読む
利用規約やプライバシーポリシーを全部読む必要はありません。次の2つを探して、そこだけ読めば判断できます。
(1) アップロードしたファイルの保存期間
「アップロードされたファイルは◯時間後に自動的に削除されます」といった記述です。この一文があるということは、裏を返せばファイルがサーバーに送られている証拠です。ブラウザ内だけで処理するツールには、そもそも保存期間という概念がありません。書きようがないのです。
実際に主要サービスの規約がこの点をどう書いているかは、PDF・画像の変換サイトに送ったファイルはどうなる?規約の実例で、原文を引用してまとめています。iLovePDF・Smallpdf・PDF24・Squooshの4社ぶんの記述を確認できます。
(2) 第三者提供・海外への移転について
「取得した情報を業務委託先に提供することがあります」「サーバーは米国にあります」といった記述です。海外のサーバーで処理される場合、そのデータにはその国の法律が適用されます。日本国内の感覚とは異なる扱いになる可能性がある、ということは知っておいて損はありません。
「1時間後に削除します」は安全の証明にならない
多くのアップロード型サービスが、安心材料としてこの文言を掲げています。もちろん、何も書いていないよりは誠実です。ただ、削除の約束は「送信した」という事実を取り消すものではありません。
削除されるまでの間、ファイルは確実に相手のサーバー上に存在します。その間に何が起きないと言い切れるかは、運営者を信用できるかどうかの問題になります。本当に見られたくない書類ほど、「送ったあとどうなるか」ではなく「そもそも送らない」を選ぶのが確実です。鍵を預けて「見ません」と言われるより、鍵を渡さない方が確実なのと同じです。
正直に書きます:ブラウザ完結型にも弱点があります
ブラウザの中だけで処理する方式は万能ではありません。作っている側だからこそ分かる弱点を挙げます。
- 端末の性能に左右される:処理をあなたのスマホ・パソコンで行うため、古い端末では大きなファイルに時間がかかります。サーバー側で処理するタイプなら、こちらの端末が非力でも速く終わります。
- 巨大なファイルは苦手:ブラウザが一度に扱えるメモリには上限があります。何百ページもあるPDFや、極端に大きな画像はうまく処理できないことがあります。
- できない処理もある:たとえばPDFをWordに変換するような処理は、品質を担保するのが難しく、ブラウザ内では実用的な精度を出しにくい領域です。当サイトがこの機能を用意していないのも、中途半端なものを出さないためです。
- 初回だけ読み込みが必要な場合がある:前述の背景透過ツールのように、判別用のデータを最初に読み込む必要があるものもあります。
つまり、安全性と引き換えに、速度や対応範囲で妥協しているのが実情です。公開予定の資料を大量に処理したいだけなら、アップロード型の方が快適なこともあります。用途で使い分けるのが賢い選択です。
用途別:どこまで気にするべきか
| 扱うファイル | 気にする度合い | おすすめの選び方 |
|---|---|---|
| 契約書・請求書・見積書 | 高い | ブラウザ完結型を選ぶ。取引先の情報も入っているため |
| 履歴書・職務経歴書 | 高い | ブラウザ完結型。住所・生年月日・顔写真が一体になっている |
| 身分証・保険証の写真 | 非常に高い | ブラウザ完結型一択。番号が読み取れる状態で送らない |
| 家族・子どもの写真 | 高い | ブラウザ完結型。位置情報が残っている場合もある |
| 社内資料・議事録 | 高い | 勤務先のルールを確認。外部送信が禁止のことが多い |
| 公開予定のチラシ・商品写真 | 低い | どちらでもよい。速さや機能で選んで問題ない |
よくある質問
無料のオンライン変換サイトは危険ですか?
すべてが危険というわけではありません。危ないのは「中身を人に見られたら困るファイル」を、どこで処理されるか分からないサイトに送ってしまうことです。公開しても差し支えない資料なら、アップロード型でも実害はほとんどありません。扱うファイルの中身で判断するのが現実的です。
本当にアップロードされていないか、素人でも確認できますか?
できます。いちばん簡単なのは、ページを完全に読み込んでから機内モード(オフライン)にして、そのまま使えるかを試す方法です。オフラインで処理が完了するなら、そのファイルはインターネットに出ていません。パソコンなら、ブラウザの検証機能でネットワークの記録を見ればより確実に分かります。
「アップロードしたファイルは1時間後に削除します」と書いてあれば安全ですか?
安全の証明にはなりません。削除するという約束は、送信したという事実そのものを取り消すものではないからです。削除されるまでの間はサーバー上にファイルが存在し、その扱いは運営者を信用するしかありません。中身が重要な書類ほど、そもそも送らない方法を選ぶのが確実です。
ブラウザだけで処理するツールに欠点はありませんか?
あります。処理をお使いの端末で行うため、古いスマホや非力なパソコンでは大きなファイルで時間がかかったり、動作が重くなったりします。また、高度な処理には対応できないものもあります。安全性と引き換えに、端末の性能に左右されるという性質があります。
会社のパソコンで無料の変換サイトを使ってもいいですか?
勤務先の情報取扱ルールに従ってください。多くの企業が、業務データを許可のない外部サービスにアップロードすることを禁止しています。ブラウザ内だけで処理が完結し、ファイルが社外に出ないツールであれば問題になりにくいですが、判断に迷う場合は必ず情報システム部門に確認してください。
まとめ
オンラインツールの安全性は、書かれている文言ではなく自分の手で確かめられます。覚えておくのは次の3つだけです。
- 機内モードで動けば、送信されていない(2回目で試すのがコツ)
- 「◯時間後に削除」と書いてあるツールは、送信している
- 中身を見られたら困るファイルだけ、慎重に選べばよい
すべてのファイルに神経を尖らせる必要はありません。契約書や身分証のように「これは困る」というものだけ、送らずに済む方法を選ぶ。それだけで、日常的なリスクの大半は避けられます。
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